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元安曇養護職員・永田さん 音楽劇の脚本集を復刊

学校音楽劇の脚本集と作者の永田さん

 昨年3月に県安曇養護学校を退職した作家の永田浩幸さん(58)=松川村南神戸=がこのほど、在職中に脚本と作詞を手掛けた音楽劇の脚本集『三つの恋のメロディー』を25年ぶりに復刊した。脚本集は八面大王などの伝説を題材にした3作品で構成される。勤務先の子供たちが劇によって生き生きと輝き、自信を持つ姿を見てきた経験から、演じる楽しさをもっと知ってもらい、教育現場で役立ててほしいと願いを込めた。

 音楽劇の脚本と作詞は、同校の児童生徒が学習成果を披露する「はるかぜ発表会」で高等部の生徒が上演するために永田さんが手掛けた。
 脚本集に収録されている八面大王伝説に基づいた『やまどりの尾』は、安曇野を舞台に大王を倒すために力を合わせる弥助と山鳥を描く。ほかに松本平を舞台にした『龍の子太郎』、『アリババと四十人の盗賊』もあり、せりふや動き、劇中歌の楽譜などを盛り込む。
 永田さんは「みんなを主役にしたい」と、どんな障害があっても全員が出演できるように工夫した。生徒の希望を聞き、個性に合わせて役どころやせりふ、動きを考えた。
 劇中歌の作曲は、当時の同僚で、現在は県合唱連盟理事長などを務める中村雅夫さんが担当した。表紙絵や挿絵は村在住の画家・成瀬政博さんが描いた。
 永田さんは県諏訪養護学校で10年間実習助手を務め、県安曇養護学校では30年間務めた。「障害によって自信がなかった生徒が大勢の観客の前で演じ切って喝采を浴び、何かが変わる姿を見てきた。学校演劇は主流ではなくなったが、今の子供たちにも自信を持つきっかけにしてもらえたら」と願う。
 初版は平成5年に300部を製作し、地元の小学校や保育園、県内外の小中学校などで活用された。在庫切れとなった後も復刊の声が寄せられ、手を加えて300部復刊した。永田さんは「退職し、作家活動に専念する節目にもしたい。出会った子供たちの姿を題材にした創作もしてみたい」と話している。

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