政治・経済

引退の村上淳県議 「現場主義」貫き本音で対話

 県議会2月定例会が8日、閉会した。4期目の今期限りで引退を決めた県議会議員・村上淳さん(64)にとって最後の定例会となった。16年間、「現場主義」を貫き、県政とのパイプ役として、住民の声を届けた村上さんは「楽しいことも、苦しいこともあったが、120パーセントやりきった。いろいろな人と出会えたことが自分の宝だ」と語る。

 初当選は平成15年、木曽郡が「平成の大合併」で揺れた時期だった。16年12月に、旧山口村の越県合併協議がヤマ場を迎えた。当時の田中康夫知事が県議会に関連議案を提出せず、議会は紛糾。議員提案の形で議案が提出され、地元選出議員として賛成討論をした。泣きながらの「涙の討論」だった。
 もともとは合併反対派だ。「木曽郡に残ってほしい気持ちもあり、複雑だった。議場で泣いたのはあの時だけ。地方自治のあり方を根本から考えさせられた」と懐かしむ。
 3期目の26年には、木曽町新開に信州木曽看護専門学校(3年課程)が開校した。以前は、准看護師の資格がある人が通う県木曽看護専門学校(2年課程)があったが、卒業後に郡内に定着する人は少なかった。年々看護師不足の深刻度が増す中、地元からは、高校卒業後に進学できる3年課程の開設を期待する声が高まっていた。
 22年の県議会代表質問で、変更を提案したが、県の答弁は「変更の考えはない」だった。あきらめず各方面に木曽の実情を伝え、県議会の度に医療問題を取り上げるなど、粘り強く訴え、風向きを変えた。今春卒業した3期生を含め、木曽病院に勤務する卒業生は18人となる。「これほど願った通りになることも珍しい」と喜ぶ。
 4期16年を振り返り、「住民と本音で語り合うことができた」と話す。次期県議にも「全ての郡民の顔を見るつもりで地域を回ってほしい」と期待し「地域を歩かなければ、実感を持って問題提起はできない」と強調する。
 任期満了は4月29日だ。上松町議会議員時代を含めると、人生の半分を議員として過ごした。引退後の生活は「想像もつかない」としつつ、「妻と一緒に、四国八十八カ所巡りに行きたい」と笑う。

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