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今冬の降雪量 松本でわずか4センチ 過去10年で最小 夏の水不足懸念も

 気象庁が今冬(昨年12月~2月)に松本市沢村で観測した降雪量が4センチと極端に少なかったことが1日、分かった。過去10年で最も少なく、本州南岸の低気圧通過に伴う重く湿った「カミ雪」があまり降らなかったことが原因とみられる。例年より雪かきの労は免れたが、スキー場などは雪不足に嘆き、ダムの水位低下による夏場の水不足も懸念される。

 長野地方気象台によると、県中・南部でまとまった降雪をもたらすのは一般的にカミ雪だが、今年は寒気の流入が少なく、雪にならずに雨となるケースが目立った。
 沢村の今冬3カ月間の降水量は50・0ミリで、昨冬の48・5ミリとほぼ同じだったが、昨冬の降雪量は34センチだった。今冬の平均気温は1・8度で、昨冬より1・4度も高く、寒気の影響の弱さを裏付けている。
 松本地方の飲料や農業用の水源となっている奈良井ダム(塩尻市奈良井)の周辺は1日、雪がほとんどない冬枯れの茶色い風景が広がっていた。県奈良井川改良事務所によると、例年この時期は融雪を見越してダムの水位を常時満水位より少なめに設定するが、今冬はほぼ満水位近くに維持する異例の対応を取っている。担当者は「4月以降に融雪分を取り戻す雨がなければ困る」とかんがい期の水不足を心配する。
 平地部では道路などの除雪機の出動も少なかった。松本土建(松本市島立)の担当者(61)は「除雪の出動はいつもの半分以下。これほど少ないのは初めて」と話す。
 雪かきなどに必要な道具の売れ行きもいまひとつだった。松本市島立の日用品店・松本越前かまやは2月末で店頭に並べていた暖房器具と除雪用品の多くを片付けた。店を営む奥村猛さん(61)は「まとまった雪がなく、売れ行きは鈍かった」と肩を落とした。
 スキー場は雪の確保に苦労した。松本市奈川の野麦峠スキー場の井上和久総支配人(48)は「今冬は雪が降らず、雪づくりに苦心した」とこぼしつつ「地熱が徐々に上がり、下部のコースの一部は地肌が見え始めてきた。雪がしっかり残る上部コースを維持したい」と話していた。