連載・特集

2019.3.12 みすず野

 湿った重い春の雪に、景色が一変した。雪かきに追われる人たちの姿があちこちに。景色が一変と言えば、東日本大震災の大津波に襲われた被災地が、まさにそうだったのだが、8年が経過して、外見上は復興が成った地区が多いようだ◆しかし、それはあくまで外見であって、内実は厳しく、建造物の再建から個々の生活再建に、課題は移ってきているという。家を奪われた人のための災害公営住宅は完成しても、若い人たちは遠くに居を移して住まず、住宅に引きこもってしまう一人暮らし高齢者もいて、孤独死が増えていると報じられる◆福島の現実は、さらに厳しいらしい。避難解除され、自宅に戻ったものの、場所によっては住民が1割以下に減り、仕事もなければ、自治も成り立たない。「生きがいなんてないですよ」と、つぶやく姿が切ない。理不尽としか言いようがない。そんななか、支え合いに汗し、仕組みづくりに尽くす人たちがおり、声援を送りたい◆大津波で根こそぎ持っていかれた命、家財、故郷は取り戻しようがないけれど、奥歯をぐっと噛みしめて、明日に向かってほしい。行政には継続支援をお願いしたい。