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山形村の火の見やぐら 役目終えて引退へ

村内に残っている火の見やぐら(下竹田)
 長年にわたって山形村を見守ってきた「火の見やぐら」が消滅する見通しになった。村は、徐々に減る中で残ってきたが、長く使われていない3基を新年度に撤去する方針だ。かつては火災の火の元を確認したり、上部に備えた半鐘を鳴らして出火や火の用心を伝えたりといった使い方をしていたが、高い建物が増えたことや他の伝達方法の普及で役目を終えた。
 現在は、上大池と上竹田、下竹田に各1基がある。27日に開会した村議会3月定例会で村が提出した新年度一般会計当初予算案に、撤去費用108万円が計上された。  村に残る固定資産台帳には、昭和57(1982)年8月時点で17基のやぐらが載っている。撤去済みのやぐらには高さが20・3メートルのものもあった。消防団の詰め所を集中的に建て替えた5年ほど前に、併設のやぐらの撤去も進んだという。  詰め所内で操作できるサイレンのほか、無線や携帯電話、電子メールなどが普及し、半鐘に取って代わった。送水ホースを干すため、やぐらに掛ける使い方もあったが、専用の乾燥ポールに置き換わった。  一方で、老朽化や消防団員以外の人が上ってしまうことの危険性が注目されるようになった。各地域での話し合いで、使わないならば撤去をという声がある半面、残してほしいという人もいる。やぐらの一部や半鐘を残している地域もある。  つじごとにあった火の見やぐらは風景に溶け込み、消防団員にとっては念入りに手入れをする備品だった。断続的に25年ほどの団員歴がある村消防団長の堤博彦さん(60)は撤去について「寂しさは感じるが、時代の流れで仕方がない。地域の安心・安全を守るための人づくりが重要なのは今後も変わらない」と話している。