教育・子育て

奈川保育園 3月末で休園 園児・奥原縁ちゃん1人に

 松本市奈川の奈川保育園が、園児数の減少により本年度末で休園する。園には現在、年長組に4人、年少組に1人の計5人が通うが、来年度以降に地区内で新たに入園する園児がいないためだ。来年度は園児1人だけとなり、奈川保育園から約14キロ離れた安曇保育園(安曇稲核)へ転園することになる。年少組の奥原縁ちゃん(4)は「(安曇の)友達といっぱい遊べる」と無邪気に喜ぶが、母の郁枝さん(40)は「同年代の友達を多くつくってほしいけれど、地元の奈川で卒園・卒業もしてほしい」と心境は複雑だ。

 市保育課によると、市内ではこれまでに保育園の園舎移転や園の統合はあったものの、園児数の減少に伴う休園は初めてという。通園は保護者が奈川地区内で働いている事情から、朝と夕方に安曇保育園と奈川地区を結ぶタクシー(運賃は主に市が負担)を運行する方針だ。安曇保育園には現在、12人の園児(うち年少は3人)がいるという。
 奈川保育園は、平成20年に旧園舎の耐震性の低さが指摘され、建て替えのため平成20年10月から23年3月まで2年半、22人の園児が安曇保育園に通園した経緯がある。23年4月の新園舎開園からわずか8年間での休園となる。市保育課は「園児の保育環境を考えれば、同年代の友達がいる方がよい」としつつ、休園する奈川保育園の再開については「最低5人程度の園児が通う環境が整う必要があるのでは」との見方を示した。
 5人きょうだいの末っ子の縁ちゃんは現在、兄で年長組の繋玖ちゃん(6)と一緒に奈川保育園へ通っている。繋玖ちゃんは卒園まで残り1カ月を切り「自分たちの後、園に下の子がいなくなるのは寂しい」とこぼす。
 郁枝さんは「縁が生まれた時から同世代の友達がいない焦りがあった」と同級生ができることを喜びつつ「縁には地元の奈川小で卒業してほしい。けれど、それは安曇保育園でできた友達と2年間でまた離ればなれになることでもある」と複雑な表情を浮かべていた。