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「紅」から読み解く万葉文化 豊科郷土博物館が講演

 安曇野市豊科郷土博物館主催の特別講演会「風景を旅する講座」が23日、市穂高交流学習センター・みらいで開かれた。奈良大学文学部教授の上野誠さんが「万葉びとの生活」と題し、万葉集に登場する色彩「紅」から読み解ける当時の生活や文化、歌の詠み手の心情を解説した。

 郷土博物館で3月31日まで開催中の企画展「安曇野の屋敷林」に関連した講演会で、上野さんは、紅はベニバナを染料とした赤色で、名称は中国の呉から渡来した藍を意味すると説明した。紅は当時の人にとって海外から来た価値の高い色だったが、色落ちしやすい色でもあったとし「これらを踏まえると、和歌に隠された意味や心情がわかる」と述べた。「物事の背景にある社会的文脈を理解するのが大事」と指摘し「屋敷林もどの種類の木がどんな理由で使われているのかといった背景に興味を持つのが大切だ」と呼び掛けた。
 約150人が耳を傾け、塩尻志学館高校2年の田中裕貴さん(17)は「勉強になった」と話していた。