政治・経済

松本城外堀の整備変更 菅谷市長が住民に説明

 松本市の菅谷昭市長は21日夜、市が松本城の南西側で用地買収を進めている「南・西外堀復元事業」の地元説明会で、当面は堀を掘削しないで堀の範囲を平面的に示す「平面整備」に方針を変えた理由や経緯を関係住民に初めて語り、直接の説明が遅くなったことを陳謝した。市が昨年7月に方針変更を表明した後、事業に協力してきた地元では、市長による直接説明を望む声が強まっていた。

 大手公民館で説明会が開かれ、町会関係者や権利関係者ら約60人が出席した。市長の説明と陳謝を区切りとして事業は新たなスタートラインに立つ。共催した中央地区町会連合会の藤村吉彦会長は説明会後の取材に「市長と直接対話して、わだかまりは解消できただろう」と語った。
 菅谷市長は説明会の冒頭で「方針見直しについて、私自身が直接説明できず今日に至ったことを心からおわびする」と述べ、その後も二度、三度と陳謝した。市によると、まずは担当部署による地元説明会を開き、間を置かずに市長が説明する機会を設ける考えだったが、日程調整がうまくいかなかった。
 平面整備への方針変更を巡っては、市と市教育委員会が昨年10月に初めて開いた地元説明会で不満が噴出するとともに、市長の直接説明を求める意見が相次いだ。今回の説明会でも「もっと早く地元に説明に来ていただくべきだった」と、説明責任の果たし方をただす指摘があった。
 市は今後、将来的な外堀の復元も視野に平面整備の内容を検討していく。説明会を共催したお城周辺地区まちづくり推進協議会の大宮康彦会長は「われわれも断腸の思い。何とか復元できるよう一緒になって頑張っていきたい」と述べた。
 南・西外堀の復元事業は40年来とも言われている市政の懸案課題で、菅谷市長が平成19年11月に着手を表明した。36(2024)年度の事業完了が目標となっている。市は、事業用地で土壌汚染が確認され、市が土壌処理の費用を負担すると不適切な支出になることから、掘削を必要としない平面整備に切り替えることにした。