政治・経済

朝日村の鳥獣被害防止柵 設置9割超に

入二地域で昨年度に設置した柵。本年度は左側(鎖川の上流方向)に延ばす
 朝日村が鳥獣被害を防ぐため、人里と山林を隔てる形で村内全域に設けている鳥獣被害防止柵の設置事業が、本年度で10年目となった。本年度は入二地域の鎖川起点に近い右岸の延長792メートルで設置を計画しており、年度末までに延長2万1129メートルで設置が終わる見通しだ。イノシシや熊など大型獣の出没や人里への侵入が、ほぼなくなる効果が上がっている。
 設置事業は平成21年度に始めた。柵は高さ2メートルで、上部に4本の通電線が張られている。一部で国の補助金を活用して本年度末までの累計で2億5090万円の事業費を投じ、村全体の設置計画に対する実施率は90・34%に達する見通しで、ほぼ全ての住宅地や農地が柵で山林と隔てられる。  近年は大型獣の人里への侵入がほぼなくなっており、村産業振興課は「柵の設置効果によるとみている」と分析する。  一方で猿の侵入が増え、山際でトウモロコシなどを食い荒らすほか、定植後の葉洋菜の苗を引き抜くいたずらも見られる。体が小さく身軽で、周囲に立つ樹木を伝って柵を跳び越えるケースもある。  村は猿対策を念頭に、近年の新設部分では柵の山側と人里側にそれぞれ、幅5メートルの帯状の区域で樹木を伐採する緩衝帯を設けている。猿対策を重視していなかった初期の設置部分でも緩衝帯の設置を進めており、本年度は西洗馬で延長1200メートルを施工した。柵の山側には維持管理のため、幅3メートルの作業道も延ばす。  未設置部分は野俣沢林間キャンプ場やあさひプライムスキー場の周辺で、計画上は延長2260メートルとしている。ただ、一帯の観光レクリエーション施設との兼ね合いで想定したルートを見直したり、柵の構造を既設部分と変えたりする可能性がある。  柵の設置や倒木などによる破損の修繕は村が担い、周辺のやぶ払いや下草刈りなどは地元自治組織が担う形だ。産業振興課は「地域と連携し、維持管理に万全を期すよう努める」としている。

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