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塩尻の東座でDV題材の映画上映 話題を呼ぶ

 家族間や男女間の暴力・ドメスティックバイオレンス(DV)を題材とした映画「ジュリアン」が22日まで、塩尻市大門四番町の映画館東座で上映され、話題を呼んでいる。千葉県野田市で10歳の女児が亡くなる虐待事件が起き、DVへの関心が高まる中、幅広い客層が作品を鑑賞し、感想をインターネット上に書き込んでいる。同館の合木こずえ社長(59)も被害者だった過去があると告白し「ひとごととせず苦しむ人を皆で救おう」と呼び掛けている。

 「ジュリアン」は一昨年のフランス映画。夫の暴力で離婚した夫婦と長男ジュリアンを巡るサスペンスで、DV根絶を切望するグザヴィエ・ルグラン監督がメガホンを握った。
 9日の上映開始以来、東座には常連にとどまらない幅広い客層が訪れ「DVの本質が分かった」「野田市の事件を思い出さずにはいられない」などネット上に次々と感想を寄せている。家族や友人が被害に遭ったという来館者も少なくないという。14日夜に鑑賞した松本市の女性会社員(24)は「特別な世界の出来事ではない。身近な問題なのだと考えさせられた」と話していた。
 同館は昨夏から「ジュリアン」の上映を計画してきた。30年近く前、同様の暴力被害を経験したという合木さんが「痛みを知る立場だからこそ目を背けたくない」と選んだ。合木さんは物理的、精神的な暴力によるトラウマ(心的外傷)が消えない現実に触れ「未来ある子供に暴力の恐怖を決して味あわせてはいけない」と話す。「命より大切なものはない。一人ひとりが関心を寄せ、SOSに手を差し伸べて」と願っていた。

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