教育・子育て

会田中 口の体操でインフル予防

口を大きく動かしながら声を出す生徒たち

 松本市の会田中学校(長谷川泰彦校長、67人)は、「あ、い、う、べー」と、口を大きく動かしながら声に出す口腔体操「あいうべ体操」を、インフルエンザなどの感染症の予防対策として全校生徒が毎日行っている。口元の筋肉を鍛えることで口がしっかりと閉じ、鼻呼吸をすることでウイルスや細菌が体内に入るのを防ぐ効果があるといわれる。同校によると昨年6月から取り組み、今冬はインフルエンザにかかった生徒はわずかで集団感染もなく、風邪の症状が見られる生徒も少ないという。

 「あいうべ体操」は福岡県の医師・今井一彰さんが考案した。全国各地の保育園や小中学校に広まり、実践されている。会田中では、学校歯科医を務める地元のなかじま歯科医院の中島潤子院長(55)=会田=が体操の理論を学び、生徒の健康増進のために提案した。同校では各学級で毎朝10分間、体操の時間を設け、保健給食委員会の生徒たちが指揮をとり、全員で「あ、い、う、べー」と15回ずつ声に出して口や舌の筋肉を鍛えている。
 中島院長によると、口呼吸は口内や喉が乾いて唾液が減り、感染症や虫歯、歯周病、鼻炎、誤嚥性肺炎になりやすい。会田中では「あいうべ体操」を取り入れて鼻呼吸をするように心掛けたところ、昨秋の歯科検診で疾患が新たに見つかった生徒は少なかった。
 県保健・疾病対策課によると、県内ではインフルエンザのピークだった1月21~27日の週に小中学校43校で学年閉鎖、172校で学級閉鎖があった。松本市教育委員会によると、市内では今年になってから、学級閉鎖が小中学校31校、学年閉鎖が5校であったが、会田中では学級閉鎖などはなく、長谷川校長は「明らかに効果があったとはまだ言えない」としつつも「生徒たちの予防に対する意識が高まっているのは確か」と力を込める。
 会田中の2年生で、保健給食委員会の堀内宏樹委員長(14)と笠原康弘副委員長(13)は「体操がみんなの習慣になっていて、風邪をひく人もほとんどいない」と実感する。高校入試を控える3年生の体調も気遣って「全員がずっと元気でいられるように体操を続けていく」と話し、来年度も実施する計画だ。中島院長は「『あいうべ体操』は道具を使わず、簡単にできる。ぜひやってほしい」と勧めている。

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