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スポーツ吹矢、音を照準に 松本の協会が装置開発

筒先が的に向けられると音が鳴る、視覚障害者向けの補助用具を付けて矢を吹く鈴木会長

 中信地域を拠点に活動する一般社団法人・松本市スポーツウエルネス吹矢協会は、視覚障害者向けの吹矢の補助用具を独自に開発した。筒先を的に向けて狙いが定まるとイヤホンから音が鳴る仕組みの赤外線装置で、会員たちが試作を重ね、県工業技術総合センター(同市野溝西1)の協力を得て3年がかりで完成させた。全国初の用具といい、障害者の健康づくりを支援しようと日本中に普及させる考えだ。

 受信機は、直径約5ミリ、長さ約18センチのアルミの筒に内蔵された赤外線を捉えるセンサーと制御装置などでできている。吹矢の筒に装着し、筒先が的の上部に付いた送信機に向けられると反応して「ピー」と大きく鳴る。的から外れると音が弱くなって消える。
 鈴木健一会長(71)=松本市出川町=と同協会アルプス新村支部の会員・竹内明宏さん=同市新村=がこれまでに、市販のブザーやLED(発光ダイオード)ライトなどを材料にした装置を考案して手作りしてきた。LEDの光が弱視の人にとってまぶしいことや、装置に付けた電源コードが体に引っ掛かる心配があることなど課題が出るたびに試行錯誤して完成にこぎつけた。
 平成29年に県から地域発元気づくり支援金を受けた縁で、昨年末に県工業技術総合センター環境・情報技術部門の小口京吾部門長に改良を要望し、理想としてきたコードレスの装置を作ってもらった。1月に完成品を受け取った鈴木会長は「思いが形になった」と感謝する。
 現在2台しかなく、台数を増やすには経費や作り手探しが必要になる。全国組織の日本スポーツ吹矢協会に公認用具にするように求めながら少しずつ増やしていく考えだ。6月に市内で開かれる視覚障害者のスポーツ大会に出向いて吹矢を体験してもらう計画もある。鈴木会長は「障害のある方が的に矢を当てた時に見せる笑顔が私たちの喜び」と言い、視覚障害者の健康増進に役立とうと意気込んでいる。