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地中熱冷暖房「快適さ」調査 朝日村役場の庁舎で

執務室に置かれた測定機器
 昨年5月に開庁した朝日村役場の執務室とロビーの環境調査がこのほど行われた。冷暖房の熱源に地中熱を活用し、室内では太陽から地球に熱が伝わるのと同じ「放射」で冷暖房を行う方式を採用した。年間の温度差が大きい地域では、同じ考え方で造られた施設での調査は少ないという。村は調査結果を効率的な設備運転の参考にする。  
 調査は信州大学工学部建築学科の高木直樹教授の研究室とパネルの製造企業が行い、村が協力した。測定機器のデータと人の感覚を合わせ、快適さを示す指標・快適性評価(PMV)を出す。  執務室とロビーは床面積が約570平方メートルの大空間で、冷暖房には地下約75メートルにまで不凍液を循環させる14本の「採熱井戸」を活用する。年間を通じて12~13度程度と一定の地中温度と、季節によって変動する地上の気温の差を生かしてエネルギー消費を抑える。不凍液は室内各所の金属製パネル内を通り、熱を放射する。エアコンのような風や音がなく、柔らかな暖かさや涼しさが得られる。  1月16日~2月6日に、温度計と湿度計のほか、パネルからの熱放射の達し方などを測定し、人が感じる温熱の感覚を確かめる「グローブ球」を室内の16カ所に置いた。併せて、村役場の職員約60人にアンケートをして、年齢や性別、自席の位置、服装、仕事の内容で異なる寒暖や湿気の感じ方を確かめた。同じ調査は昨夏にも行った。  省エネ型建築物と放射式の冷暖房の組み合わせは快適性の高さが知られるが、導入経費が高く普及は進んでいないという。今回の調査は、より良い運転方法の模索、建築物や設備の開発につながる。高木教授は「長野県のように冬に寒く、夏に暑い場所での測定は少ないと思う」と話す。調査結果は学会で発表する考えだ。  村役場での関連設備の導入には、出入りをする不特定多数の人たちに快適な環境を提供しようという考えがある。村総務課は「省エネを進めつつ、来庁する人や職員がより快適な環境も実現できる」と調査結果に期待している。