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塩尻・堀田上の庚申構 100年に 葬儀支え寄り合いも

 塩尻市片丘北熊井の堀田常会の有志18世帯でつくる「堀田上の庚申講」が、大正8年の発足から100年の節目を迎えた。世代をまたいだ住民寄り合いの場として機能し、互いの家庭の葬儀を支えるという重要な役割も担ってきた。4日夜には地元の堀田集会所で今年の庚申会があり、関係者が歴史を振り返りながら杯を交わした。

 日没後、当屋と呼ばれる当番が集会所を開けて準備を始めた。今年は竹渕浩さん(65)と青木一彦さん(43)だ。床の間に猿田彦大神の掛け軸を掛け、ろうそくをともして酒を供えた。
 午後6時半、仲間が集まると酒をつぎ合い、献杯して懇親した。上の庚申講には第1回以降の記録帳が今も大切に残る。長老の古谷孝雄さん(83)が帳面を開きながら歴史を語ると「よく続いたもんだ」。出席者から感嘆の声が上がった。「特に大事なのは土葬の準備だった」「穴を掘ったらはるかぶりにご先祖と対面したこともあったなぁ」。尽きない話を笑いあり涙ありで語り合っていた。
 記録帳の定めによれば発足当時は年2回、一年の最初と最後の庚申日に会を開いていた。会場は個人宅だったという。古谷さんは「昔は夜更けまでやったと聞く。今以上に大切な情報交換の場だった」と話す。昭和62年に集会所が竣工して以降は現在地で実施し、回数も年1回に減ったが、最初の世代から数えて4、5代目まで途切れず続いてきた。
 竹渕さんは葬儀場が普及する以前を振り返り「庚申のつながりが本当に大事だった」と語る。時代の変遷とともに当初の役割は変わりつつあるが「集いがずっと続くように」と願っていた。