連載・特集

2019.2.5みすず野

 いつもの年なら、雪を踏みしめてが、その雪がほとんどなく、地に足をつけて、リンゴやブドウの木の剪定作業をする農家の姿がある。この道何十年のベテランというか、高齢者が多いなか、若い人や壮年の姿も◆実家を継いだのだろうか、それとも都会から移住した営農者だろうか。松本市の場合、新規就農者は毎年20人前後いると聞く。夫婦で、子ども連れで移り住み、農的生活を楽しむなどという気楽さではなく、農業を一生の職と定め、相当な覚悟で始めた人たちもいよう。自然相手で、思うに任せないことが多いに相違ない◆何を栽培するか決め、技術を習い、農地を確保し、農機具をそろえて使いこなし、と想像するに、軌道に乗るまでには長い期間を要するであろう。しかし、模範となる先輩、励みになる仲間はいると思うし、支援制度も充実してきている。出来た作物を待ち望む消費者はそこかしこに。頑張ってもらいたい◆戦後の工業化、経済大国化の延長線上に平成があって、農業ではやっていけない、と地域の衰退をもたらしたが、次の時代は、食の確保や人と人のつながりの再構築が、扉を開くと考えるのである。