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安曇野の「弥次喜多道中」を紹介 研究会が『続膝栗毛八編』の翻刻版を発行

発行した翻刻版を持つ丸山会長(右)と会員の有賀さん
 江戸時代後期の戯作者・十返舎一九(1765~1831)を研究する安曇野市民らの会「十返舎一九に親しむ会」が、一九が安曇野に取材して記した『続膝栗毛八編』の翻刻版『弥次喜多道中in安曇野 塩尻 松本 池田 大町』を発行した。会発足10年を記念し、江戸時代に安曇野を世に知らしめた貴重な戯作を広く知ってもらい、次世代に残したいと取り組んだ。
 江戸時代に出版された変体仮名交じり文の原本を基に、『日本名著全集 江戸文芸の部 膝栗毛其の他下』を使って誰でも読めるよう活字に翻刻した。  一九が「絶景の地多数有り」と絶賛した当時の安曇野をそのまま感じてもらおうと、できるだけ忠実に原本を再現することを心掛け、文字の大きさを調整して1ページの文字数が同じになるよう気を配った。全集には挿絵に添えられた「讃」(短文)までは掲載されていなかったため、穂高古文書勉強会の資料を基に解読して補注も付け加えた。  『続膝栗毛八編』には登場人物の弥次さん、喜多さんの旅を通して、本山宿(塩尻市)や新田宿(安曇野市)、満願寺(同)の風景や風物、人々の話す方言が紹介されている。菜をおかずに飯を食べたり、ゴボウとイナゴの煮物をつまみに酒を飲んだりする描写もあり、当時の食文化も分かる。  会長の丸山英二さん(78)が昨年10月から作業を始め、1月中旬に完了させて印刷会社に持ち込んだ。丸山さんは「本来なら善光寺街道を通って旅するところだが、一九は成合組(現在の安曇野市豊科成相地区)の大庄屋・藤森善兵衛の招きで安曇野を通るルートに変更した」とし「祖先の努力で生まれた作品を知ってほしい」と話している。  持ち歩きに便利なB6サイズで200部作った。希望者には1部500円(税込み)で頒布もする。問い合わせは丸山さん(電話番号090・3585・7756)へ。

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