連載・特集

2019.2.13みすず野

 先日83歳で亡くなられた作家の堺屋太一さんが、近年盛んに言われていたのは「時代は変わった」のだから、それに見合う制度、政策に転換しなければ、この国はやっていけない。これからの「知価社会」にふさわしいものに変えよ、であった◆「団塊の世代」の名付け親として知られるが、単に現象をとらえた言葉ではなく、この世代がもたらす社会的影響を予測し、つまり時代を先読みする力にたけていた。では、どう時代は変わったと堺屋さんは指摘されたのか。規格大量生産を正義とし、世界をリードしてきた戦後の工業社会が終わり、日本は完全に世界の一部になった◆のであるから、新たな理想を掲げ、教育や金融改革、都市と土地に関する発想の転換を進めたい。縦割りの官僚機構を改め、官庁ごと規制で守られた利権を超え、新しい国のかたちを作り上げたい、と提案された。自身の官僚体験も踏まえてのことだろう◆「知価社会で重要なのは独創と挑戦だ」(『時代が変わった』講談社)。堺屋さんが重視したのはデータ。それらに基づいて近未来を予言した。そのデータが改ざんされては、堺屋さんをしても読めまい。

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