連載・特集

2019.2.1みすず野

 「森友学園」に関する公文書の改ざん問題などで、財務省への国民の信頼が大きく揺らいだのは昨年のことだが、今度は厚生労働省の長年にわたる不適切調査で、統計不信、ひいては省庁不信極まれりだ◆国民は一体何を、誰を信用すればいいのか。もっとも評論家の立花隆さんは、統計を含む官庁情報は、ある目的を達成するために作られ、操作はすべての省庁で日常茶飯に行われており、「官庁はマスコミに対する情報操作を通じて世論を誘導し、行政目的を達成しようとする」と記している。(『「知」のソフトウェア』講談社現代新書)◆だから、事実が歪められた資料ではないか、と吟味する必要があると。そんなものかもしれない。しかし、政治家に比べ、省庁や官僚は信用に値する、と私たちは思ってきた。今回の不正は、二つの意味で深刻と言える。一つは賃金や労働条件など、基礎資料として重要な統計であったにもかかわらずという点◆もう一つは、不正の背景、温床があったから放置されたのではということ。総務省は統計の総点検に乗り出すらしいが、どこまで可能か。いずれにせよ省庁への信頼は地に落ちました。

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