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受動喫煙防止 バーも一役

 地方都市としては多い20軒ほどのバーが集まる『バーの街』としても知られる松本市で、今年に入り店内を全面禁煙にするバーが出始めた。バーといえば、たばこの煙をくゆらせながらお酒を味わい、会話を楽しむ"大人の社交場"といったイメージもあるが、望まないたばこの煙を吸ってしまう「受動喫煙」を防ぐ対策が強化される流れにあって、バーもお客が快適に過ごせる空間づくりへ対応を迫られている。

 中央2の「メインバーコート」は年明けの2日から、店の入り口に「全面禁煙」のパネルと張り紙を掲げている。10年ほど前から午後6~9時を禁煙とする「時間帯分煙」を続けてきたが、喫煙者が来店客の1割程度と少なく、スタッフにも非喫煙者が多いため、受動喫煙を考慮して全面禁煙に踏み切った。店を営む林幸一さん(51)は「残念がるお客さまもいるが、幸い大きな苦情はない。喫煙者も大切なお客さまだが、全体的な居心地の良さも考えた」と語る。
 来年4月施行の改正健康増進法は、学校や病院、行政機関などでの敷地内禁煙とするなど、多くの人が利用する施設や公共の場での受動喫煙防止策を盛り込む。ただ経過措置として、客席面積100平方㍍以下で個人などが営む既存店は標識掲示で喫煙は認められ、小さな店が多いバーのほとんどは従来通りの営業が可能だ。
 喫煙者、非喫煙者の双方に配慮して分煙にしてきた店もある。伊勢町通りの「Bar5cm/sec」(中央2)は4年ほど前、約40平方㍍の店内の一角を分煙コーナーとした。店を営む佐藤まゆみさん(44)は、たばこを吸わない上司が喫煙者の部下に喫煙を控えるよう強要する場面を目にして「バーは本来お酒もたばこも楽しむ空間。喫煙者と非喫煙者どちらの権利も守りたい」と決断した。「たくさん吸う人の足は遠のいたが、ワインの繊細な香りを楽しみたい人には好評」と話す。
 日本バーテンダー協会長野支部の支部長で、「BRORA」(同)のマスター・山﨑雄二さん(44)は「来店する喫煙者は減ったが、少数派ではない」としつつ「副流煙を意識するお客さまはよく目にする」と言う。「(法の施行は)各バーにとって対応を決断する分岐点になるのでは」とみる。
 受動喫煙対策については、松本市も4月施行を目指して条例制定の作業を進めている。