地域の話題

塩尻市内の民芸陶器を写真集に 洗馬焼保存会が刊行

市内の民芸陶器の魅力を一冊にまとめた写真集
 洗馬焼の歴史や文化を守り育てる市民グループ「洗馬焼保存会」が、塩尻市内の民芸陶器の魅力を凝縮した写真集『塩尻市の焼き物』を刊行した。▽洗馬焼▽信斎焼▽入道焼―のえりすぐり50点を造形や質感にこだわりながらオールカラーで掲載した。前身も含めて半世紀の歴史を誇る同会が、郷土の焼き物の記録を後世にわたって残そうと実現させた一冊だ。
 A4判56ページで限定100冊を刷った。県内外で高く評価される江戸後期の「飴釉緑釉流注口付徳利」(洗馬焼)や、細工、焼成ともに逸品の「緑釉手桶形水指」(信斎焼)、職人の遊び心や創意が伝わる「飛鉋入徳利」(入道焼)などが載る。市内外の個人や公共施設が所蔵する焼き物を会員が数年がかりで訪ね、記録したという。  撮影にもこだわった。1点につき最低2枚、多ければ3、4枚の写真を掲載している。側面の一方向から眺めるだけでなく、ひっくり返して底や高台側からも撮ることで、陶器全体の姿が読者に伝わるよう工夫した。印刷には艶紙を採用し、釉の質感も表現した。  保存会の歴史は昭和40年代、地元の東漸寺や長興寺、郷土史家、美術家らによって始まった洗馬焼の顕彰に始まる。一時100人近い会員を数えた後、高齢化で解散したが平成28年に再結成された。出版物の刊行はその頃から準備されてきた。  事務局の小林研一さんによればいずれも庶民の生活に根付き、暮らしに豊かさをもたらした陶器だ。ともすれば散逸しがちだが「公に記録することで文化が将来にわたって伝われば」と願っていた。  市立図書館などで閲覧できるほか若干の残部がある。7000円。問い合わせは事務局(電話番号090・4709・6867)へ。