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浅間温泉の「松門文庫」100年

 江戸時代後期に松本市で生まれ、教育者、政治家、文化人として明治期の松本の近代化をけん引した窪田畔夫(1838~1921)の功績を伝える記念館「松門文庫」が、浅間温泉2にある。大正8(1919)年の建設から今年で100年になるが、近年は非公開となっており、地元で記念館の存在を知る人は少なくなってしまった。この「松門文庫」にあらためて光を当て、保存・活用を進めると共に、窪田を顕彰しようという動きが、地元の本郷地区で広がっている。

 松門文庫は、のばら保育園の真西にあり、近くに市本郷支所や本郷小学校が並ぶ。市文化財課によると、蚕種業で全国に名をはせた浅間温泉の「たまりや」の経営者・二木秀一の養子となった窪田の次男・二木洵が建設した。木造2階建てで和洋折衷の意匠を持ち、窪田が使った書籍を多数収蔵して、かつては市民に公開していた。旧開智学校の建築から半世紀近くを経て建てられた「擬洋風建築」は、窪田の教育に対する思いの象徴ではないかといわれており、文化財的価値が高い。
 松門文庫は現在、二木家の関係者が所有し、原則非公開となっている。松門文庫の歴史を学ぶとともに、蚕種業の発展に伴い栄えてきた浅間温泉の歴史もひもとこうと、地元の町会連合会や観光、まちづくりなどに携わる15団体が昨年末に「松門文庫を考える会」を結成した。
 2月に「考える会」の初の集会を開く予定で、構成団体の一つ、浅間温泉街づくり協議会の黒岩正勝会長=浅間温泉3=は「松門文庫を浅間温泉の宝として、地元主体でどう保存活用できるのかを話し合っていきたい」と話す。
 「松門文庫を語る集会」は2月11日と3月10日の午後1時から、浅間温泉文化センターで開かれる。定員100人程度で、希望者は2月5日までに申し込む。参加無料。
 問い合わせは本郷地区地域づくりセンター・本郷公民館(電話0263・46・1500)へ。