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空の防災体制、再構築へ一歩 初代航空指導幹に曽我太さん着任

阿部知事から辞令を受け取る曽我さん(左)

 空からの消防防災体制の再構築に向けて、県は4日、消防防災航空センター内に新設した「航空指導幹」の辞令交付式を県庁で開いた。航空指導幹は操縦士として勤務するだけでなく、後進の育成にも力を注ぐ重要なポストで、国土交通省航空局で航空従事者試験官を務めていた曽我太さん(48)を初代指導幹に任命した。北海道で警察ヘリコプターの運用に携わった経験もあるベテランの曽我さんを得たことで、安全体制の一層の強化が期待される。

 県は平成29年3月の消防防災ヘリの事故以降、安全で安定したヘリの運航方法を模索してきた。現在は民間航空会社に防災ヘリの運航の一部を委託し、操縦士2人の派遣を受けているが、国内の民間航空会社に所属する操縦士の高齢化が進んでいることもあり、安定した運航を続けるために県職員の操縦士の育成に一層の力を注ごうと、「航空指導幹」のポストを新設した。
 県土が広く、3000メートル級の山々を抱える長野県で防災ヘリを操縦するには、地形習熟が求められる。民間航空会社の操縦士は数年で入れ替わってしまう可能性があり、地形を知り尽くし長期間にわたって防災ヘリの操縦を担える県職員を育てる。
 交付式では、阿部守一知事が曽我さんに辞令を手渡した。阿部知事は「県民の、来訪者の安全・安心を守るため、全力を尽くしていただきたい」と求め、「県全体で消防防災航空体制の再建をしっかり応援していくので、その中核となってほしい」と期待を込めた。
 曽我さんは北海道出身で、平成6年から約20年間にわたり北海道警航空隊でヘリの操縦士を務めた。25年からは国交省航空局で、試験を受ける操縦士の技量を見極める航空従事者試験官を担った。ヘリの総飛行時間は4600時間におよぶ。
 曽我さんは交付式後、報道陣の取材に応じ、「(県が安全対策で取り入れた)ダブルパイロット制は(搭乗する操縦士2人の)連携が大切になるし、航空機の知識も大切になる。法律をしっかり守り、決められたことを決められた通りにできるパイロットを育てたい」と決意を語った。

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