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中町の土蔵が新時代の顔に 三代澤作品を展示

 松本市の中心市街地にある中町通りで一昨年まで47年間営業し、松本出身の型絵染作家の三代澤本寿が店内デザインなどを手掛けたカレー店「デリー」だった明治期の土蔵造りの建物が今春、三代澤作品初の常設ギャラリーを併設した菓子販売店として再出発する。趣を生かして改修し、元号が改まる直前にオープンする計画だ。時代を超えて愛された建物は再び、市民が誇る歴史や文化を身近に感じられる「街の顔」となり、新たな時代を歩み始める。

 甲府市で菓子の企画、製造、卸を行う企業「たなか」が、「壱の蔵松本店」として開く。1階では、「デリー」と共同開発のカレー味の菓子を三代澤さんデザインの「デリー」のマッチの絵をあしらった容器に入れた商品など、地元関連の新商品を含め、多彩な自社製品を扱う。ギャラリーは2階に開く。店舗内と東側に設ける専用階段からも入れる構造で、無料で開放し、随時展示替えもして「三代澤作品を後世に伝える場」としていく。
 松本が好きで10年以上前から毎年5、6回は訪れるという「たなか」会長の田中彰夫さん(74)が、市内で三代澤作品を目にしたことが"再出発"のきっかけだ。「全く古さを感じさせないデザインで、気持ちが落ち着き元気をもらえる作品」と引き込まれた。店内に作品を展示するなど、作品の魅力を独自に発信してきた三代澤の息子でデリー経営者の三代澤友寿さん(昨年8月に74歳で他界)、保水さん(71)夫妻とも親しくなり、作品愛をさらに強くした。一昨年、山梨県内で開いた自社初の直営店「壱の蔵」では、包装紙を三代澤作品で作り、店内には複数の作品と経歴を展示したという。
 出店構想は昨夏、夫妻が建物の後利用について調整中であることを知り持ちかけた。田中さんは「三代澤作品が時代と共に忘れ去られてしまうのは残念。地元の人にももっと身近に感じてほしい」と話し、「多くの方に訪れてもらえる場になってほしい」と願う。
 建物は、民藝の街としても知られる松本を象徴する中町通りの西の入り口近くにあり、景観形成にも大きな役割を果たしている。一昨年、経営者の体調不良で閉店してからも訪れる人が後を絶たず、後利用には市や住民も関心を寄せていた。市教育委員会文化財課の大竹永明課長は「中町を象徴する建物の一つ。他部署とも連携して応てい援できれば」としている。

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