連載・特集

2019.1.6みすず野

 新年会と聞くと思い出す。時は平成の初め、所は浅間の温泉宿。同じ大学を卒業した人たちの和やかな宴席は開会のあいさつで静まり返った。「自民党はなぜ憲法改正をやらんのか!」と発した声の主は元松本市長の降旗徳弥さん。90歳前後の年齢を感じさせない一喝だった◆今夏に参院選があり、その結果次第で安倍晋三首相が来年の施行を目指す憲法改正への動きが加速(減速)しよう。改憲を巡る国会の勢力図や思惑に目が向きがちだが、なぜ変えなければならず、変えてはならないか。参院選では肝心の分かりやすくて具体的な論戦を望みたい◆首相は年頭の記者会見で「国民的な議論や理解を深める努力」を重ねると語った。知らない間に作られた改正案に賛成か反対かと言われても―とならないよう、有権者も関心を寄せ続けたい。もっとも冒頭の宴席で「自主憲法って何だったっけ?」とこっそり周囲に聞いた20代の若造の身だ。偉そうに言うなと泉下の大先輩にまた一喝されても、若い世代に訴えたい◆きょうから小寒。本格的な寒さの始まりを暦が告げる。空気が乾き、風邪やインフルエンザが最も流行する時期でもある。

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