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2019.1.31みすず野

 「実感なき景気回復」とはよく言ったもので、本当に実感がなのだ。政府が2012年12月から始まった景気回復が、今月で74カ月に達し、戦後最長を更新したとみられる、と発表した。戦後最長ということは、昭和の高度経済成長期を超えてである◆なぜ実感がないのか。賃金が多少アップしても、税や保険料がもっと上がって家計を圧迫し、個人消費増とならない。失業率の低下など雇用状況は好転した。団塊の世代が大量退社し、深刻な働き手不足が生じたからだが、仕事を選ばなければ、の前提がつく。そして何より、財政支出と金融政策に頼ったものだからだろう◆日銀のいわゆる異次元緩和だ。超低金利と円安によって、企業の収益は大幅に改善、株高をもたらしたが、もう「出口」を見いださないと、副作用が心配の声が聞かれる。超低金利は、当然のことだが金融機関の収益を圧迫する。とりわけ、地方銀行へのしわ寄せが指摘されている◆米中の貿易摩擦も心配材料。秋には消費増税が待ち構える。回復の実感なきまま、低迷の実感がもたらされてはたまらない。もっともこれらの数字も、不適切統計であったら!?

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