連載・特集

2019.1.30みすず野

 取り立ててぜいたくをしたわけでも、まして放蕩生活を送ったというのでもない。むしろ、こつこつ60過ぎまで働いてきた。高齢者の仲間入りをし、年金と貯蓄でやっていけると思っていたが、どうも厳しい。義理や医療費はばかにならず、生活をかなり切り詰めないと、今後が不安で仕方ない◆こんな声が聞こえてくる。高齢者の仲間入りした人たちが、なぜここまで不安を抱えたり、困難に陥ってしまうのか。一つは年金の受給年齢が上がり、額が引き下げられ、保険料や税がアップし続けていること。二つめは長寿化で、老後がいつまで続くかわからない。三つめは核家族化で子どもをあてにできず、自分で生活するしかない◆いつから、この影は兆してきたのだろう。「自民党をぶっ壊す」「聖域なき構造改革」と叫んで、人気を誇った首相に小泉純一郎さんがいたが、どうもこのころから。平成13(2001)年、すなわち21世紀の始まりのころである◆非正規雇用が製造業等に広がり、雇用・所得格差が生じ、少子高齢化、人口減少が明らかになった。この延長線上に貧困がしのび寄ってきた。これからの若い人たちはいっそう。