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2019.1.15みすず野

 昔は1月1日を「大正月」、15日もしくは15日前後を「小正月」と言った。小正月は旧暦では満月に当たり、新年最初の満月の日に正月を祝ったようである。正月中忙しく働いた女性たちが、ひと息つけるころゆえ、「女正月」とも呼ばれた◆農耕生活に関連する行事が多いのも小正月の特徴だ。米粉で繭玉を作って木に成らせるのは、養蚕が盛んだった時代、繭の豊作を祈ったことに由来する。当地の内田地区などで行われる御柱は、きらびやかな色紙の飾り物を結わえつけた大きな柱を、道祖神わきに立てる。これも五穀豊穣を願ってのものだろう◆40年前の昭和54(1979)年発行の『信濃風土記』(NHK長野放送局編)には、「木曽の小正月」の一編が載っており、木曽地方の各集落で、さまざまな小正月行事が盛んに催されて、子どもたちが参加し、とても楽しみにしていた様子が知れる。いまどの程度伝承されているのだろうか◆農耕は天候に左右され、大きな被害を被ることもしばしばだった。人々は節目節目に神に豊作を願い、見合った供え物をして、そのときの「食」も大事にしてきた。できる限り伝えていきたい。

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