連載・特集

2019.01.27みすず野

 〈♪今は黄昏、また会えてよかった〉。万葉集や源氏物語を例に出すところだろうが、学と紙幅が足りないので吉田拓郎の「黄昏に乾杯」から引いた。言いたいのは「たそがれ」である◆夕方に薄暗くなって人の顔が見分け難い時分をいい、「誰そ彼」と濁らずに「誰ですか」と尋ねる古語から。物事が終わりに近づき、衰えの見える頃の意でも使われ「人生の―」と言う。類義語に「かわたれ=彼は誰」があり、こちらは明け方をいった―といずれも広辞苑の記述だ◆夕暮れ時や夜間、早朝に歩行者が遭う交通事故を防ごうと県警がこのほど「ピカピカペッタンコ作戦」を警察署単位で一斉に行い、夜光反射材の着用を啓発した。記事によると、この5年間で反射材を身に着けて交通事故で亡くなった歩行者はいない。安曇野署管内で昨年に起きた夜間の人身事故は99件で、前年より9件増えた◆会社からの帰路に車で安曇野市の中萱駅のそばを通るが、電車の発着直後だと歩行者に時折ひやりとさせられる。特に今の季節は黒っぽいジャンパーやコートを着ているため近づくまで見えない。人生のたそがれ時にならないぞと自らを戒める。

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