政治・経済

避難支援 松本市が強化

 松本市は、本人が拒否しない限り、何らかの支援や配慮が必要な人の個人情報を、平常時から限られた外部機関に提供できる「(仮称)市避難行動要支援者名簿に関する条例」を制定する方針だ。現在ある避難支援の2種類の名簿を統合し、日常の見守りや災害時の避難支援を実効性あるものとする。平成32(2020)年4月の施行を目指し、今月14日からパブリックコメント(市民の意見公募)を行う。

 13日の市議会教育民生委員協議会で市が方針を示し了承された。
 市には現在、妊産婦や外国人も含む任意の「災害時等要援護者登録名簿」(平成21年度作成)と、災害対策基本法で義務化された「避難行動要支援者名簿」(26年度作成)がある。地域での見守り体制構築が目的の「災害時」は、登録時に本人の同意を得て町会長らに個人情報を提供できる一方、「避難行動」は平常時の外部提供を想定していない。市内には災害時に配慮が必要な人は約1万8300人いるが、名簿の重複登録者を除くと、災害発生時でないと名簿が提供できない人が半数以上いる状態だ。発生後では間に合わない可能性も高い。
 「災害時」の名簿登録が進まない現状や、今夏の大阪北部地震や西日本豪雨災害で「避難行動」の名簿が十分に活用できなかった実態も踏まえ、平常時から名簿を活用できる環境を整えるため条例を制定する考えだ。
 統合名簿には、従来の障害者や要介護3以上の人に加え、難病患者、希望すれば妊産婦や外国人も登載可能とする。載せる個人情報の内容は簡略化し、警察、消防署、町会役員、民生児童委員、消防団、社会福祉協議会、地域包括支援センターに提供する。提供先には個人情報の適正管理を求める。
 準備や周知に1年かけ、当事者には郵送で意思確認する。市福祉計画課の横内俊哉課長は「互助や共助の体制作りを進めたい」と話す。来年1月15日まで意見を公募し、結果を踏まえ市議会2月定例会に条例案を提出する。
 県内19市では茅野市が関連条例を27年4月に施行している。

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