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花柄救急車を広域消防局に 松本の桃井昭子さんが寄贈

 松本広域消防局で、車両に絵柄がデザインされた救急車が初めて誕生した。松本市に住む桃井昭子さん(89)が車内の高度救命処置用資機材も含めて寄贈した高規格救急自動車(計2600万円相当)で、桃井さんの先祖にゆかりがある下伊那郡阿智村のハナモモの絵が車両の側面などにあしらわれている。個人からの救急車の寄贈は初めてだといい、消防局は「桃井さんの思いのこもった救急車。大切に使い、一層精進したい」と気持ちを新たにしている。

 11日に同消防局で寄贈式などが開かれた。桃井さんが救急車の鍵を百瀬渉局長に手渡し、桃井さんに感謝状と記念の盾が贈られた。百瀬局長は「今後の救急活動においてこの上ない後押しをいただいた」と深く感謝した。
 桃井さんは松本市で生まれ育ち、故郷に恩返しをしたいと考えていた。松本広域連合に長年勤めていためいに相談し、桃井さん自身も20年ほど前に救急搬送してもらったことがあり救急車の重要性を感じていたことから「老若男女がお世話になる救急車を贈ろう」と寄贈を決めた。
 車両のデザインは「同じ思いの人が自分のあとに続いてほしい」という願いから桃井さんが発案した。消防局警防課の女性職員が桃井さんと打ち合わせを重ねてデザインを考案し、側面と背面の「松本広域消防局」を彩るようにかわいらしいピンクのハナモモをあしらった。「もものい号」の文字も添えた。
 寄贈式で、百瀬局長は桃井さんを前に「全国で災害が相次ぎ、われわれの職責の重要性が高まっている中、深いご理解とご厚意をいただいた。職員一丸となってより一層の研さんに励んでいく」と決意を述べた。救急車は渚消防署に配置された。
 「全世代の方が最後に頼れるのは救急隊員。活用してもらえればうれしい」と桃井さん。「みなさんに愛されるデザインになった」とハナモモが咲いた車両をほほ笑みながら見つめていた。