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「75歳以上を高齢者」 意識改革へ松本市がポスター作成

 松本市は、9月に菅谷昭市長と加藤久雄長野市長が共同提言した、人生100年時代を見据えて「75歳以上を高齢者」と呼ぶ新たな定義に基づき、市民周知を図る市独自のポスターを作成した。全国に先駆けた課題提起は、社会保障制度などの高齢者施策の変更ではなく、必要な場合には支援しつつ、「元気で活躍」という意識改革の発信だ。約200枚を印刷し、市内35地区の地域づくりセンターや福祉ひろばに配布し掲示を始めている。

 ポスターはA3判で、「75歳以上を高齢者と呼びましょう」の文言と、年配の男女が山歩きを楽しむ姿をイメージした手描きの絵を入れた。65歳以上からが人生の「全盛期」で、健康寿命を延伸し、年齢にかかわらず希望と意欲が湧き、自分らしく活躍できる社会の実現をめざす│とする。絵を描くのが好きな市高齢福祉課の介護予防担当係長・丸山花代子さん(50)が考案した。
 11月1日現在、市の高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は27・6%(6万6102人)で、75歳以上は14・9%(3万5678人)にとどまる。65歳以上の人口のうち介護や支援が必要になった人の割合は過去5年間で2割弱で推移し、75歳未満の出現率は4%程度と圧倒的に低いため「身体的にも元気な人が多い」(高齢福祉課)とみられる。
 共同提言について、6日に市役所に来庁していた野溝西の男性(62)は「年金の支給を先延ばしにするなど福祉政策を変えるならば問題」と懸念しつつ、「65歳で高齢者にくくられるのは抵抗がある。まだまだ現役」と話した。町会役員の主体が70歳以上で、「担い手不足」の課題も抱える市町会連合会の堀内正雄会長(72)は「まだ70歳前後は若い。地域や社会のためにと活動する人が増えるなら歓迎したい」と語った。
 高齢福祉課の上條昭一課長は「市民の声や反響に耳を傾けていく。長野市ほか、県や他の市町村も含め連携した取り組みができないか、啓発や施策を今後検討していく」と説明している。