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江戸城消火後の松本藩主描いた絵図 松本城管理事務所に寄贈

鎮火した江戸城から行列で引き上げる戸田氏を描いた絵図

 松本藩主・戸田光則公が、江戸詰めしていた安政2(1855)年に発生した安政江戸地震の際、江戸城で火災の消火に当たった後の様子を描いた絵図などが5日、旧松本藩士の深尾家の子孫から松本城管理事務所に寄贈された。同事務所は当時の武家の様子などを知ることができる「大変貴重な資料」とし、展示などで活用していく。

 深尾家の流れを継ぐ看護師・深尾有紀さん(44)=松本市中央2=が同日、松本城管理事務所を訪れて寄贈した。
 絵図は縦13センチ・横約5メートルの巻物で、作者は不明という。戸田氏が「大名火消」として家臣を引き連れて江戸城の消火に当たり、鎮火後に行列で引き上げる様子が描かれている。大勢の家臣が鳶口や纏などを手に持ち、列の中ほどで家紋の入った羽織を着て馬にまたがる戸田氏が描かれている。
 この絵図を含め、寄贈品は計31点ある。公家「近衛家」に仕え、尊王攘夷派に対する弾圧「安政の大獄」で捕らえられて戸田家に預けられた「老女村岡」(本名・津崎矩子、1786~1873)が、警護に当たった深尾家の藩士に与えた直筆の和歌の短冊も目を引く。安政の大獄の処罰者一覧や日本刀なども含まれ、松本城管理事務所の手島学所長は「(展示などで)大いに活用したい」と話す。
 深尾さんは約10年前、安曇野市内の生家を整理していた際に一連の資料を発見したという。専門家に委ねようと寄贈を決めたといい、「松本藩の歴史をひもとく役に立てば」と願っている。
 絵図や老女村岡の短冊など4点は、8日~2月17日に市立博物館で開かれる「小笠原家弓馬故実書公開・新収蔵展」で展示する。
 観覧料は大人200円、小中学生100円。問い合わせは、市立博物館(電話0263・32・0133)へ。