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精神障害者手帳の所持者 塩尻では10年で倍増

 塩尻市における精神障害者保健福祉手帳の所持者が10年間で倍増したことが市への取材で分かった。発達障害やうつ病など対象となる障害の社会的認知が進み、手帳の交付を受ける人が増えているとみられる。身体障害者手帳や知的障害の療育手帳の所持者に関しても、高齢化の進展を背景に将来的な増加や障害の重度化が予想される。市は一人一人が障害を身近に感じ、誰もが暮らしやすい社会が広がるよう啓発を強化している。

 平成20年に292人だった精神障害者保健福祉手帳の所持者は10年で601人にまで増えた。背景について市福祉課は、かつて障害と認識されなかった精神障害の特性が広く認知され、診断に至るケースが増えてきた点を指摘する。
 身体障害者手帳や療育手帳の所持者に急激な増加傾向はみられない。ただ、身体障害者に関しては全体の75%を65歳以上が占めており、同課は「老化に伴い障害を抱えたり障害が重くなったりするケースも少なくない。決してひとごとではない」とする。
 市が65歳未満の障害者手帳所持者500人を対象に昨年実施したアンケートによると、障害を理由に差別や嫌な思いを経験したことが「ある」「少しある」と答えた人は59%に上った。平成26年の前回調査に比べ8ポイント減ったものの、偏見のない社会の実現にはほど遠い。障害者の自立や雇用においても課題は山積しており、市は今春「第7次市障がい者福祉推進プラン」を策定して3カ年の福祉施策をスタートさせた。
 プランでは制度や施設の整備に加え、福祉教育の推進の重要性もうたっている。同課障がい福祉係は障害者週間(3~9日)に合わせた街頭啓発を強化しつつ「心のバリアフリーを広げて」と呼び掛けている。