地域の話題

楽都のオペラ、新作で 次回に初の独自演目

まつもと市民オペラの新作を手掛ける信長貴富さん(1日、松本市音楽文化ホールで)

 市民とプロが共演する「まつもと市民オペラ」の次回公演が、既存のオペラ作品でなく、新たに作曲されたオリジナル作品を上演することが3日、分かった。新作を上演するのは初めてで、作曲は合唱曲を数多く手掛ける信長貴富さん(47)=東京=が担当する。公演は平成32(2020)年12月を予定し、台本・演出は昨年の公演「ちゃんちき」を演出した劇作家で演出家の加藤直さん(75)=東京=が担当する。

 東京都内でこのほど開かれた実行委員会で信長さんに作曲を依頼することが正式に決まり、本人の承諾を得た。信長さんは一般的に合唱曲の作曲家として知られているが、合唱が主体となる歌劇「合唱オペラ」や、合唱とオーケストラの曲も手掛けている。大規模なオペラの作曲は初めてといい、信長さんは市民タイムスの取材に対し「作曲家として、生涯をかける意気込みで仕事を引き受けたい」と決意を語った。
 まつもと市民オペラは平成19年の初公演から隔年で開催され、ヨハン・シュトラウス2世の「こうもり」やベルディの「椿姫」、モーツァルトの「魔笛」といった有名なオペラを上演してきた。独唱者や指揮者はプロが務め、松本室内合奏団と公募の市民合唱団が共演する。昨年12月の公演「ちゃんちき」(團伊玖磨作曲)で初めて日本作品の上演に挑戦しており、次回の公演で初の新作に挑む。
 昨年8月に57歳で急逝した松本市出身のバリトン歌手・太田直樹さんが当初から市民オペラのアドバイザーを務めており、次回公演は太田さん亡き後の市民オペラの方向性を決める重要な公演となる。十分な準備期間を確保するため、当初予定していた平成31年の開催を1年間延期することにした。
 発足当時に市民オペラの開催に向けて声を上げた1人で、現在も合唱指揮者を務める中村雅夫さん(59)=県合唱連盟理事長=は「太田さんの思いを受け継ぎ、松本にふさわしい新作オペラの上演にこぎ着けたい」と話している。