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木曽・興禅寺庭園 国登録名勝地へ

  国の文化審議会は16日、木曽町福島の興禅寺庭園「看雲庭」を国の登録記念物(名勝地)に登録し、松本市の林城跡(小城)を国史跡に追加指定するよう文部科学大臣に答申した。県教育委員会によると、看雲庭が国の登録記念物に登録されると県内では8件目で、中信地域では初となる。林城跡は大城が、井川城跡とともに「小笠原氏城跡」として平成29年2月9日に国史跡に指定されており、そこに林城跡の小城が新たに加わる見通しとなった。

 看雲庭は、昭和初期を代表する作庭家・重森三玲(1896~1975)の設計指導で造られた。水を使わず、石や砂利などで自然を表現した枯れ山水庭園(石庭)だ。約690平方メートルの長方形の地に、白砂と15の石を配す。砂で雲を、石で高山の峰を表すが、砂紋とは別に、白色のセメントを用いた曲線で雲紋も表現する。庭園の三方を囲む白い塀越しに望む山々が庭園に広がりを与える。借景の山とのコントラストが美しい。
 興禅寺の創建は室町時代の永享6(1434)年と伝わる。古木が茂る山を背にお堂を整然と配し、池泉鑑賞式の庭「万松庭」は、石庭とは対照的な日本の趣を楽しむことができる。本堂奥には、平安末期の武将・木曽義仲の遺髪を納めた墓碑があり、春には、義仲お手植えの「2代目」と伝わるシダレザクラが境内を彩る。
 全国的に知られる木曽踊り「発祥之地」碑も建つ。まさに地域の「よりどころ」ともいえる古寺だ。雲紋は毎朝描くといい、松山芳久住職(73)は「名勝地の登録は地域としての誇り。木曽の文化を知っていただく機会となる」と喜ぶ。

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