政治・経済

池田の「空き家バンク」好調 補助制度、ニーズに対応

空き家バンクの登録により農地付きで売買が成立した物件

 空き家の登録を所有者から募り、流通を図る「空き家バンク」を、池田町が開設してから約1年がたった。これまでに25件の登録があり、うち11件で売買や賃貸の契約が成立し、出足の活用は好調だ。所有者の手間や費用負担を軽減したり、自給自足を望む移住希望者が農地を取得しやすくしたりと、売り手と買い手の双方でメリットを感じられように登録条件や補助制度を工夫したことが奏功しているようだ。

 池田町の空き家バンクは、老朽化などで居住できない解体前提の家屋も登録できるのが特徴だ。「更地にすれば固定資産税が上がる」として、所有者が手をつけずに放置している物件を流通させるため、土地を得たい購入者が家屋を解体する場合、その工事費を上限50万円で補助する仕組みを整えた。空き家の活用だけでなく、それ自体を減らすことを狙う。
 遊休農地の解消と、農業に関心がある移住者に対応するため、町農業委員会は本年度、登録された空き家に隣接する農地を取得する場合、その下限面積を30アールから1アールに引き下げる設定をした。
 不動産業者15社でつくる町空き家等利活用連絡会とも連携している。会員事業者が査定するなどした空き家は民間の不動産サイトに一般物件と同様に掲載されるため、より多くの買い手に情報提供される。
 町移住定住促進協議会アドバイザーで信州大学経法学部准教授の武者忠彦さんは「"信頼""利活用"という行政と民間それぞれの得意分野を生かした仕組み。開設1年にして良い成果」と話す。
 町は昨年度、町内の空き家268件の実態調査を行い、うち182件の所有者に意向を尋ねた。回答した86人のうち46人が売却や賃貸を望み、バンク登録を勧めたところ、12件の登録に結びついた。
 町企画政策課は「流通が難しい空き家が一つずつ動き始めている。所有者と移住者、住民のニーズが調和するように引き続きバンク活用を呼び掛けたい」と話している。