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小川大系 生誕120年 彫刻作品 今も安曇野に

 今月に生誕120年を迎える安曇野市穂高出身の彫刻家・小川大系(1898~1980)の作品が、今も郷土の街を彩っている。題材は多様で、流動感が持ち味だ。公共施設や駅、寺社など各地に展示、安置された彫刻は行き交う人々を静かに見つめている。

 大系は35歳の時に上京し、彫刻家・北村西望に入門した。彫刻家として活躍したほか図案、建築設計でも才能を発揮した。戦後は疎開した故郷にとどまり、穂高出身の彫刻家・荻原守衛(碌山)など先人を顕彰する活動にも尽くした。
 若い頃は穂高神社(穂高)に奉納する飾り物の制作に携わった縁もあり、境内には神馬やこま犬がある。神馬は木曽馬がモデルといい、優しいまなざしと美しい馬具が魅力だ。参集殿には碌山の胸像も飾られている。
 JR穂高駅前には代表作の一つである父子像「登頂」がたたずみ、訪れる登山客を出迎えている。没後に遺族から旧穂高町へ石こう像が寄贈された。「鱒投網」や「馬」などが穂高会館や穂高交流学習センター・みらいなどに常設され、市民に親しまれている。中央図書館は節目を記念し、10月に大系関連の本を紹介するコーナーを設けた。市内に点在する作品リストも配った。
 石こう像を収蔵している豊科近代美術館の澤田龍太郎学芸員は「大系は中央で活躍し、細工もうまい。古来の仏彫からの影響が感じられ、日本人に分かりやすい」と話している。