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元球児 甲子園は今も憧れ マスターズ大会 10日から

 高校野球のOB・OGが甲子園球場(兵庫県西宮市)で試合をする「マスターズ甲子園」が10日と11日に開かれる。長野県は今回が初参戦で、奈良代表の大和広陵OBと11日に対戦する。メンバーは県大会優勝の松商を軸に、出場全25チームから50人の選抜チームを結成、中信地区からは8校20人が選ばれた。ともに松商OBで、監督は深澤友和さん=松本市波田、主将は前島秀俊さん=松本市中山台=が務める。球児憧れの聖地"甲子園"での試合に、大役を任された2人は情熱を燃やしている。

 県内最多の甲子園出場回数を誇る松商にあって、深澤さんと前島さんは甲子園でプレーしていない。強豪校であるからこその厳しいメンバー争いや"打倒松商"を掲げる他校の台頭など理由はさまざまだ。今となっては悔しさはないものの、今回、甲子園のグラウンドに立てるとあって、当時の熱い思いが再び湧き上がったという。深澤さんは「やっぱり甲子園は憧れの場所。もしかしたら高校時代より今の方が気持ちは強いかもしれない」と笑う。
 なぜ甲子園がいくつになっても特別な場所なのか│。前島さんは、そこを目指す過程が重要だという。「一つの目標にみんなが向かい、練習する。3年間、甲子園を目指して努力してきた。その仲間とは今でも付き合いが濃い」と力を込める。過ごした日々が濃密だったからこそ、甲子園は「特別」になっている。
 高校時代、投手だった前島さんは「『甲子園に行かないと』という義務感というか、重圧があった」とも明かす。その重圧も一つの経験ではあるが、純粋に野球を楽しむこともまた重要だ。年を重ね、それを体現するのにうってつけの舞台に立つ。「盛り上がりたい。甲子園の球速表示板に130キロを表示させたい」と笑みを浮かべる。
 マスターズ甲子園への出場は野球人口の減少を食い止めるため、県高校野球OB連盟が主導して実現した。近年は子供たちの野球離れが顕著で、野球の魅力をどう発信し、伝えていくかが課題だ。10年以上、少年野球チームのコーチを務める深澤さんは「楽しくプレーする姿を見せることが今回できること。いろんなスポーツの中から野球を選んでもらえるように野球の楽しさを伝えたい」と意気込む。
 それぞれの思いを胸に"おじさんたちの甲子園"が間もなく開幕する。