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塩尻・和手遺跡で平安期住居跡 第5次調査 全容把握へ

 19号、20号、153号の三つの国道が交わる塩尻市の高出交差点一帯に広がる和手遺跡から、新たに平安時代の住居跡や墓が見つかった。同交差点の南側農地(桟敷)の商業開発に合わせて市教育委員会が9~10月に発掘調査した。平成7年度の前回調査では一帯から100軒余の住居跡が見つかったが今回は4軒にとどまり、市教委は住居跡の少ないエリアを村の外れに当たる場所だったと考察する。市内有数の規模を誇る和手遺跡の全体像が見えてきた。

 今回は和手遺跡の第5次調査に当たる。約600平方メートルを発掘し、平安時代の住居跡や掘立柱の建物跡が確認された。見つかった墓は土を掘りくぼめた穴に埋葬する「土坑墓」で、副葬品とみられる皿やわんが出土した。
 和手遺跡は約1万6000年前の旧石器時代から平安時代に至る長期の遺構や遺物が出ている遺跡で、面積も数万平方メートルに及ぶと考えられる。国道19号沿いの商業開発に伴い昭和62年以降発掘が重ねられ、特に前回調査では平安時代の住居跡だけでも84軒が確認された。
 一方、今回見つかった遺構数はこれまでで最も少なく平出博物館は「集落の南の外れに当たるかもしれない」と指摘する。弥生時代以降、墓域が村外れに設けられていく傾向にも重なるという。過去の調査で和手遺跡の北の外れは大よその見当がついており、今回の結果を加味すると南北400~450メートルにわたる遺跡規模であることが分かってきた。
 同館の小松学館長は、先人たちが自然や地理を見定めながら選び抜いた土地に暮らしてきた点に触れ「あらためて郷土の遺跡に目を向けてもらえれば」と期待する。調査結果は年度末に報告書にまとめられる。