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「ワンカップ雨量計」で自主避難 池田・陸郷で各家庭に設置

「ワンカップ雨量計」(左)と過去の災害発生場所を書き込んだ地図
 池田町は、山間地に民家が点在する陸郷地区で、カップ酒の空きカップを「雨量計」として各家庭に備え、雨量が基準に達した場合は行政の指示を待たずに自主的に避難するルールを定めた。避難のタイミングを分かりやすく知ることができるようにと、アイデアを出した。山間地で独自に雨量を計測し、孤立や逃げ遅れを防ぐのに役立てる。
 「ワンカップ雨量計」と名付けた。カップの側面に1センチごとに目盛りが書き込まれており、雨が降り出したら軒先に出して、たまった水の量で雨量を計る。町と陸郷地区自治会、県犀川砂防事務所が今春、国の交付金を活用して策定した陸郷独自の「自主避難計画」に盛り込んだ。  過去の災害時のデータや住民の記憶を基に、避難の「準備」と「開始」の目安になる雨量を定めた。「1時間の雨量が1・5センチ」か「連続雨量が8センチ」に達したら避難の準備を始める。「1時間の雨量が2センチ」か「連続雨量が10センチ」で避難する。水量が10センチを超えるとカップから水があふれるため「あふれたら避難」とひと目で分かる。  21日には、この雨量計を使った避難訓練を行った。同地区や町、町消防団の約30人が参加して、住民はそれぞれ自宅に設置したカップに水を入れ、基準量に達するのに合わせて行動した。避難所の豊盛公民館には全世帯の園児から高齢者までが集まり「避難のタイミングが判断しやすかった」と声をそろえた。  県犀川砂防事務所の樋口隆樹さんは、陸郷は大雨による土砂災害が多く発生し、避難所が遠く孤立しやすいと指摘し「いち早い避難が命を救う。豪雨による被害は雨量を知ることで防げる。『まだ大丈夫』と思わないで」と呼び掛けていた。  町は、市街地が中心だった備蓄品の保管場所も、山間地の陸郷・広津両地区に新たに設けた。陸郷地区の自主防災会長で自治会長の藤松守さん(69)は「分かりやすい雨量の目安を作ったことで、大規模な被災の経験がない若い世代も自主避難しやすくなる。住民の絆を深め、地区から1人も被害を出さないようにしたい」と話していた。