政治・経済

外堀復元見直し 不満噴出

 松本市が松本城の南西側で用地買収を進めている南・西外堀復元事業で、従来の復元方針を転換して外堀の範囲を平面的に示す「平面整備」に見直した市と市教育委員会は17日夜、7月の変更表明後初めてとなる地元説明会を大手公民館で開いた。復元を前提に協力してきた権利関係者らから、「切ない」「契約違反だ」などと不満の声が噴出した。

 中央地区町会連合会とお城周辺地区まちづくり推進協議会が共催し、中央地区住民ら約70人が出席した。
 市は、方針変更の原因となっている事業用地の土壌汚染や対応を模索した経過などを説明した。汚染土壌の撤去には概算で4億6000万円ほどかかることや、民法上は地権者に汚染土壌の撤去義務があるため、費用的損失を伴う用地買収に地権者が応じなくなること、市が撤去費用を負担すると便宜供与で不適切な支出になることなどを説明した。
 出席者から「堀を復元するというから協力している。泣き泣き出て行くのに、行政がどう考えているのか分からない」「もう少し住んでいる人のことを考えてほしい」と訴える声があった。撤去費用を市が負担すると責任を問われるという説明に対し、「私たちの方が市を訴えたい」と厳しい意見も出た。
 市教育部の矢久保学部長は、復元に向けて法改正を国に要望していることを明らかにしたほか、一時的に方針を平面整備に変更しないと用地買収が進まない事情を説明し、「皆さんと一緒にどうしたら復元できるかを考えたい」と述べた。
 市と市教委は今後も地元などの求めに応じて説明会を開く。