地域の話題

半世紀経ても変わらぬ銀幕愛 松本シネクラブ結成50年

半世紀を経た現在も映画を語り合い楽しむ松本シネクラブのメンバーたち

 松本地方の映画愛好家でつくる「松本シネクラブ」(MCC)が今年で結成50年を迎える。各高校の映画研究会同士の互助や情報交換を目的に、昭和43年に部員ら有志によって結成された。「こだわりの映画を松本に」と、全盛期には約120人の会員がおり、上映会を定期的に企画するなど松本の自主上映活動の先駆けとしても活躍した。現在は高齢化や趣味の多様化などで会員数も減り10人ほどとなったが、年4回ほどの集会を開いて意欲作や青春を彩った映画の魅力を語り合っている。

 文化祭に合わせて市内の映画館で自主上映会を開くなどしていた各高校の映画研究会がチケットの宣伝や手配を協力し合う横のつながりが始まりで、世界的に盛んだった独自上映活動「シネクラブ」に倣い結成された。当時の松本は、上土通りや縄手通りなどに多くの映画館があり、縄手の中劇をはじめ協力的な映画館で一般の映画上映前に自主上映会を開くなどして、会報も出した。
 成田闘争を描いた『三里塚』シリーズや、新聞王の生涯を描いた米映画『市民ケーン』など、映画専門誌で高く評価されても、地方では上映されない映画は多く、MCCはそれらを映画好きの若者の熱意によって自主上映した。旧松本松南高校の映画研究会の部員で結成当初からのメンバーの塩原恵美子さん(69)=安曇野市豊科=は「同好の士が同じ映画の話で盛り上がれるのがなによりの楽しみだった」と振り返る。
 昭和40年代後半になると自主上映会は映画館の協力が難しくなり、上映を楽しみにしていた会員も減少した。だが会は途絶えず熱心な会員を中心に映画を語り合う会として続いてきた。会長の嶋田嘉一郎さん(75)=塩尻市大門五番町=は「仲間で自主上映会を企画した時代があったからこそ今がある。これからも見た映画をみんなで語らい楽しみ続けたい」と願う。