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貴重な聖書 喜源治記念館に 松本の武富さん寄贈

 信州大学名誉教授の武富保さん(86)=松本市蟻ケ崎6=は10日、安曇野市穂高の井口喜源治記念館に、『グーテンベルク42行聖書』の復刻版を寄贈した。15世紀にドイツ出身のヨハネス・グーテンベルクが印刷したラテン語の聖書を複製したものだ。穂高出身で、キリスト教精神に基づき私塾・研成義塾を創設した井口喜源治(1870~1938)の業績を紹介する記念館が来年、開館50周年を迎えるのを前に贈った。

 寄贈された聖書は記念館に常設展示し、11日から公開される。2冊組で、ドイツで約40年前に復刻された。武富さんが購入し、所有していた。それぞれ縦44センチ、横31センチで、計1282ページあり、ずっしりと重い。各ページは縦割り2段組、42行の構成で、多色刷の細密画も再現している。
 武富さんは、キリスト教思想家・内村鑑三(1861~1930)に詳しい。内村が井口を18~19世紀に活動したスイスの教育家になぞらえて「日本のペスタロッチ」とたたえ、研成義塾の教育に大きな影響を与えたこともあり、武富さんは記念館の学習会や行事で長年、講師を務めてきた。多くの人が記念館に関心を持つきっかけとして聖書を寄贈したと言い「印刷技術の普及はその後の宗教改革に影響を与えた。子供たちが聖書を見て、歴史や文化を学ぶ機会になれば」と願った。
 記念館の松尾恒史館長は「美術的にも美しい。今年は研成義塾の開塾120年の年でもある。大きな節目に貴重な聖書を頂いた」と感謝していた。
 記念館の開館時間は午前9時~午後5時。入館料400円(中学生以下は無料)。月曜と祝日の翌日は休館。問い合わせは井口喜源治記念館(電話0263・82・5570)へ。

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