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おためし住宅 利用好調 安曇野 移住促進

 安曇野市への移住、定住を促進するため、市が平成28年度に三郷小倉に設置した「おためし住宅」の利用が好調だ。短期間滞在し、安曇野での暮らしを体験できる施設で、初年度の利用者は延べ37人にとどまったが、29年度は利用要件を緩和した効果もあり、延べ115人と3倍以上に増えた。「厳しい信州の冬を体感してみたい」というニーズが高く、厳寒期の利用が多いのも特徴的だ。

 おためし住宅は2階建てで、北棟と南棟がある。県外者が1週間まで借りられ、料金も1日当たり2000円と格安だ。初年度は、市や県が首都圏や関西などで開く「移住セミナー」に参加したり、移住相談に訪れたりした人が利用の対象だった。昨年度には、市内の空き家情報を提供する「空き家バンク」に登録した人も利用可能にしたところ、沖縄、長崎、山形県などの遠方から参加する人が出てきた。住宅の鍵を平日だけでなく、土、日曜日に返却できるようにしたこともあり、金曜日から週末にかけて滞在しやすくなった。
 3年目の本年度は住宅の認知度が上がったこともあり、9月17日までに延べ59人が滞在し、すでに初年度を上回った。8月の利用が最も人気で、時間的に余裕のある年配者は2カ月前の予約開始と同時に、申し込む例が多い。6~7日間という長期利用も目立ち、稼働率は上がりつつある。一方で、夏季は早く予約で埋まってしまうため、仕事で忙しく、先の予定が立てづらい若い人たちは予約を取りにくいという状況も生まれている。
 都市部や暖かい地方の人は、特に寒さや雪に対する不安が高いようで、昨年度は冬に利用して状況を確かめようとする人が多かった。「冬でもきちんと防寒して暖を取れば生活できそうだと思った」「雪や冬の様子を知ることができた」などの感想が出されている。移住、定住を担当する市地域おこし協力隊の高尾一成さん(29)は「冬の寒さを経験したいようで、特に厳しい2月の利用が多かった」と話している。