連載・特集

2018.10.11みすず野

 「街の景観」「農村の景観」とは言うが、「大自然の景観」とはあまり言わない。景観は自然そのものではなく、人間の営みがそこに交じった眺め、景色を指すようである◆電線が地中化され、派手な看板もない欧州の街並み、いや欧州でなくても歴史、伝統を重んじた統一感のある日本の町並みは美しいし、農村の棚田を眺めるとき、「日本の原風景だ」などと感動を覚える。どちらも十分に人の手が入っているが、周りの自然と融け込み、時空を超えて美しい。こうした景観を築く、守ることはとても大事だ◆わが国には「景観法」なる法律が制定され、松本市は平成20年に市景観条例を施行、松本らしい歴史と文化に彩られた景観を守り、育てようと努めている。景観計画デザインマニュアル、市屋外広告物条例も設けられ、効果を上げているであろう。市民一人一人の意識はどうか◆例えば、家の庭はもちろんプライベートな空間だけれど、景観の視点からは公共性もある。できるだけきれいに保ちたい。街中であれ、郊外であれ、山里であれ、それは変わらない。空き家の持ち主もそうありたい。秋の空に映える景観を考えてみた。