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短歌の力作 全国から2282首

 第32回全国短歌フォーラムin塩尻(実行委員会など主催)が29日、塩尻市レザンホールで開かれた。全国から寄せられた2282首の中から、最優秀賞に塩尻市北小野の熊井友里さん(30)の題詠「生きるのをやめたガゼルがゆっくりと沼に溶けゆく夜中のテレビ」が選ばれた。

 今年は詠題「テレビ」に1110首、自由題に1172首が寄せられた。ステージの大スクリーンに入賞作品が映し出され、選者の歌人・馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、永田和宏さんが選評を行った。作者が選評を受けての感想を述べ、多くの来場者が熱心に耳を傾けていた。
 馬場さんは熊井さんの作品について「生と死の葛藤は動物も人間と同じではないかという感慨を深く読み込んでいる」と評価した。熊井さんは塩尻市職員で、去年まで3年間同フォーラムの事務局を務めていたことがきっかけで短歌を始めた。「自分ではどうにもならないことが世界にはあり、夜中にテレビを見ているこの時にもどこかで起きていると感じて詠んだ」と話していた。
 優秀賞5点中、関係分では塩尻市の中山由美子さんの題詠「まだ残るテレビカードを清算す落ちる硬貨は退院祝い」が選ばれた。
 選評と表彰式の後にはモデルで歌人の知花くららさんの講演会も開かれた。
 今年の投稿数は前年より389首少なく、投稿者も201人減った。