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御嶽山頂で祈り 木曽町規制解除で遺族ら登山

除幕された御嶽山頂の慰霊碑に献花し祈りをささげる参列者(26日午前11時45分ころ)

 戦後の火山災害で最多の58人が犠牲になり、今も5人の行方が分かっていない御嶽山の山頂登山が26日午前、木曽町側からの登山道に限って解禁された。遺族や行方不明者の家族らが、噴火後初めて標高3067メートルの頂に足を踏み入れて祈りをささげ、山頂直下に新たに建立された慰霊碑の除幕に臨んだ。平成26年の噴火災害から丸4年となる27日は、犠牲者を悼む行事が各地で営まれ、麓は鎮魂の祈りに包まれる。

 この日、規制が解除されたのは木曽町の黒沢口登山道の9合目から山頂までの約600メートルで、同日正午の一般登山者向けの解除に先立ち、午前10時半に遺族らに開放した。噴火災害の遺族や不明者の家族でつくる「山びこの会」の約20人が早朝から麓に集まり、犠牲者に手向ける花を手に登った。
 「安らかに」と刻まれた慰霊碑を、遺族らと一緒に除幕した木曽町の原久仁男町長は「犠牲になられた方々の命を無駄にせず、より安全な山にしていきたい」と約束した。御嶽神社の祈祷所の再建工事が進む山頂部で遺族は、亡くなった家族や友人を思い、空に向けてシャボン玉を飛ばした。
 遺族らは、亡くなった家族の足取りをたどるように登頂し、故人を悼んだ。息子を亡くした浅井正子さん(58)=名古屋市=は「息子に向かって『来たよ』と叫んだ。何とも言えない気持ち。泣いてしまった」と話した。
 今回の規制解除の対象になっていない王滝村側で被災し、行方不明になっている野村亮太さん=当時(19)=の父、敏明さん(58)=愛知県刈谷市=は「今回の規制解除は『全面解除』に向けた大きな足掛かりになる。来年はもっと近くまで行き、亮太を見つけてあげたい」とかみ締めるように話した。
 今年の解除期間は10月8日正午までとなる。御嶽山を一望する王滝村の松原スポーツ公園で開かれる27日の追悼式では、遺族や来賓が参列し、発災時刻の午前11時52分に黙とうをささげる。