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安曇野の西山山麓でニホンジカの目撃情報相次ぐ

 安曇野市の西山方面で近年、ニホンジカの姿や足跡の目撃が増えている。三郷地域では今春以降、果樹農家が山麓で鹿1頭を目撃したほか、市がサル対策で設置したセンサーカメラが鹿とみられる動物の姿を2度にわたって捉えた。東山方面と比べると生息密度は低く、目立った農業被害はないものの、生息域拡大への警戒感は強まりつつある。
 三郷小倉の果樹農家・上條恭正さん(58)は7月下旬の朝、自宅の2階窓から裏手の山麓を見て驚いた。成獣の雄鹿が防護柵の内側の杉林で草を食べていた。すぐ近くには果樹園がある。「普段でもサルの被害がある。鹿が増えるのは勘弁してほしい」と不安を募らせる。近くの山麓に市が設置したセンサーカメラも6月と7月、鹿とみられる動物を捉えた。  北アルプスはもともと鹿の生息域ではないが、数年前から大町市や上高地周辺などで確認されるようになった。市猟友会によると、三郷から穂高にかけての山中でも年々足跡が増え、年に数回ほど姿を目撃するという。藤原英夫会長(69)=穂高牧=は「サルほどではないが足跡は多い。山に入る人にとって鹿は珍しくない」と話す。  鹿による食害は、主に明科東川手や豊科田沢など東山部の田畑で発生している。西山方面は生息数が少ない上、防護柵もあるため今のところ目立った被害報告はない。ただ個体数が増えれば今後、防護柵がない穂高地域などで食害が顕在化する恐れがある。  林野庁中信森林管理署は今年秋から冬にかけ、市猟友会に委託して個体数調整のわな捕獲を行う計画だ。県松本地域振興局林務課は「生息数が少ないうちに対策を取ることが重要。捕獲と防護柵、緩衝帯の整備を総合的に行う必要がある」としている。