地域の話題

信大スマート治療室公開

 手術の精度や安全性の向上を目指して信州大学など5大学11企業が参加するプロジェクトチームが開発し、信大医学部付属病院(松本市旭3)で臨床研究が行われている「スマート治療室」が19日、報道向けに公開された。インターネットを活用した「IoT」により手術室内の機器情報を一元管理でき、「部屋自体が一つの医療機器」となる。普及に向け、信大では脳腫瘍手術を中心に有効性などを検証していく。

 現在、県内初の術中MRI(磁気共鳴画像装置)をはじめ、処置位置を示すナビゲーションや手術顕微鏡といった17の機器をつなぐ。各種データを同一時間軸で空間情報とともに統合・表示できる世界初のシステムで、手術室内だけでなく医局のモニターでも共有できるため別の医師によるダブルチェックや手術戦略の練り直しが可能となる。
 7月下旬から脳神経外科で臨床研究が始まり、脳にしみこむようなタイプの脳腫瘍患者3人の手術が行われた。いずれも経過は良好で、40~50例を目安に従来の術後経過と比較していく。他分野への応用も視野に入れる。
 信大に導入されたのは「スタンダードモデル」で、統合した情報から手術方針を自動的に検討したり機器を自動制御したりする「ハイパーモデル」の開発も進める。将来的には産業化して世界に広げることを目指す。
 信大脳神経外科の本郷一博教授は記者説明会で、「術者が術野を見ながら全ての情報を処理するのは困難。チームで遂行するための優れたシステムになる」と期待していた。