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若山牧水・喜志子をしのぶ企画展 塩尻短歌館で始まる

喜志子の生前の装いや愛用品を紹介する展示コーナー
 塩尻市広丘吉田出身の歌人・若山喜志子(明治21~昭和43年)の没後50年と、夫の歌人・牧水(明治18~昭和3年)の没後90年をしのぶ企画展「短歌、命の砕片」が15日、塩尻短歌館(広丘原新田)で始まった。生涯を歌にささげた夫妻の作品だけでなく人となりにも迫る試みで、同館が二人を同時に大々的に顕彰する企画展は初めて。軸や短冊、書簡など65点に加え、喜志子が袖を通した着物が郷土で初めて公開されている。11月25日まで。
 喜志子が愛用した刺しゅう入りの着物や羽織がほぼ等身大のマネキンを使って飾られた。実家に大切に残されていた遺品で、姿見やつえもある。展示品の帯を身に着けて生前撮影された写真も掲げられ、在りし日の姿を伝えている。  喜志子から歌人・中原静子に宛てて書かれた書簡も多数並んだ。喜志子が恋仲にあったとされる麻績村出身の岩淵要と決別し、牧水との結婚に至った経緯、文学の道を志して上京した意志や決意など心の機微が表れている。  牧水と喜志子の顕彰は本年度、全国各地で行われている。塩尻でも「郷里ならではの展示を」と企画され、二人にゆかりがある市内外の関係者から貴重な資料が貸し出された。  喜志子の兄の孫で、実家を継ぐ太田淳子さん(72)は「喜志さんはきちんとした、きりっとした女性だった。こうして(遺品を)展示していただき良かった」と感慨深げだった。

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